濱田 勉 (HAMADA, Tsutomu)准教授
マテリアルサイエンス, バイオ機能医工学研究領域
◆学位
大阪大学理学士(2001),京都大学修士(理学)(2003),京都大学博士(理学)(2006)
◆職歴
: 日本学術振興会特別研究員 (2004-2006)
北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科 助教 (2006-2011)
北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科 准教授 (2011-現在)
名古屋大学大学院工学研究科 非常勤講師 (2013)
金沢大学大学院自然科学研究科 非常勤講師 (2014)
首都大学東京大学院理工学研究科 非常勤講師 (2014)
◆専門分野
生物物理、化学物理、ソフトマターの物理
◆研究キーワード
コロイド, 相分離, リポソーム, ベシクル, 人工細胞膜, ソフトマター
◆研究課題
人工の細胞「膜」を自在に操る
両親媒性ソフトマターである脂質分子は、自己集合して膜を形成します。脂質膜は、 2次元膜面内での相分離や、3次元空間でのベシクル変形などの多様な物理現象を示 し、その構造は弾性エネルギーにより支配されます。 生体細胞は、この脂質膜を器・界面として利用しています。ミトコンドリア・小胞体 のような複雑な構造体を形成したり、膜の融合・分裂などのダイナミックな動きが物 質輸送を行っています。また、脂質膜小胞は、ドラッグデリバリーや化粧品などの材 料としての応用開発も進められています。 私たちは、人工的に作製したマイクロメートルサイズの膜小胞(人工細胞膜、リポソ ーム、脂質ベシクル等と呼ばれる)を用いた実験により、膜の新奇現象を発見し、膜 の新たな可能性を表現することを目的に研究を進めています。これまでに様々な膜の 形や動きを創り出し、物理化学的な解析を使って、膜の世界を探求してきました。

■研究業績

◆発表論文
脂質2分子膜の力学応答-浸透圧膨張ストレスと相分離挙動-
濵田勉
コロイドおよび界面化学部会ニュースレター C&I Commun, 47, 1, 20-21, 2022
Control of Lipid Bilayer Phases of Cell-Sized Liposomes by Surface-Engineered Plasmonic Nanoparticles.
Tomohiro Nobeyama, Kazuki Shigyou, Hirotaka Nakatsuji, Hiroshi Sugiyama, Naoko Komura, Hiromune Ando, Tsutomu Hamada, Tatsuya Murakami
Langmuir : the ACS journal of surfaces and colloids, 36, 26, 7741-7746, 2020
Osmotic-Tension-Induced Membrane Lateral Organization.
Nichaporn Wongsirojkul, Naofumi Shimokawa, Pakorn Opaprakasit, Masahiro Takagi, Tsutomu Hamada
Langmuir : the ACS journal of surfaces and colloids, 36, 11, 2937-2945, 2020
Mechano-Sensitive Synthetic Ion Channels
Takahiro Muraoka, Kaori Umetsu, Kazuhito V. Tabata, Tsutomu Hamada, Hiroyuki Noji, Takashi Yamashita, Kazushi Kinbara
JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, 139, 49, 18016-18023, 2017
◆Misc
7pAQ-4 膜が駆動するコロイド粒子ダイナミクス(7pAQ 膜・ミセル,領域12(ソフトマター物理・化学物理・生物物理))
執行 航希, 水野 志野, 永井 健, 濱田 勉
日本物理学会講演概要集, 69, 2, 195-195, 2014
Dynamic movement of model membrane induced by different amyloid beta molecular assemblies
Masahiro Takagi, Masamune Morita, Mun'delanji Vestergaard, Tsutomu Hamada
JOURNAL OF BIOSCIENCE AND BIOENGINEERING, 108, S31-S31, 2009
Morphological dynamics and transcription/translation reactions in cell-sized lipid vesicles
T Hamada, Y Sato, SM Nomura, K Tsumoto, T Nagasaki, K Yoshikawa
BIOPHYSICAL JOURNAL, 88, 1, 238A-238A, 2005
◆書籍
人工細胞の創製とその応用
67-74, シーエムシー出版, 2017
材料表面の親水・親油の評価と制御設計
507-514, 株式会社テクノシステム, 2016
Bottom-Up Self-Organization in Supramolecular Soft Matter
259-270, Springer, 2015
Metabolic syndrome and neurological disorders (Wiley)
163-178, Wiley, 2013
ナノ融合による先進バイオデバイス
58-70, シーエムシー出版, 2011
◆講演・口頭発表
光で駆動するベシクルダイナミクス
第69回コロイドおよび界面化学討論会, 筑波大学つくばキャンパス, 2018
光で駆動するベシクルダイナミクス
第69回コロイドおよび界面化学討論会, 2018
Organization and Manipulation of Cell-Sized Lipid Vesicles
第6回生命理工国際シンポジウム, 東京工業大学すずかけ台キャンパス, 2018
システム制御化された多機能性リポソームの構築
新学術領域会議 分子ロボティクス 最終領域会議, 東京大学本郷キャンパス, 2017
人工細胞モデルの構築と動態制御
分子系の複合電子機能第181委員会 第25回研究会, 東京大学本郷キャンパス, 2016

■担当講義

Advanced Biomaterials(E), Bioscience and Biotechnology(E), Biophysics and Biophysical Chemistry, 先端生体材料特論(E), 生命機能工学特論(E), 生体物理化学特論

■学外活動

◆所属学会
ソフトマター研究会, 日本生物物理学会, 日本物理学会

■賞等

・ 第8回若手奨励賞 , 濱田勉 , 日本物理学会 , 2014