松村 和明 (MATSUMURA, Kazuaki)教授
マテリアルサイエンス系, 物質化学領域, 超越バイオ医工学研究拠点
◆学位
博士(工学) 京都大学
◆職歴
2020 - : 北陸先端科学技術大学院大学 , 教授
2011 - 2020 : 北陸先端科学技術大学院大学 , 准教授
2009 - 2010 : 京都大学 再生医科学研究所 , Institute for Frontier Medical Sciences , 研究員
◆専門分野
生体材料学, 生体医工学, 医用システム
◆研究キーワード
低温生物学, 再生医療, ゲル, 機能性高分子, バイオマテリアル, 幹細胞, 凍結保存, 両性高分子, 生体機能材料, iPS細胞, カルボキシル化ポリリジン, 凍害防止保存液, ε-ポリ-L-リジン(PLL), 氷の再結晶化抑制効果, ガラス化凍結保存
◆研究課題
機能性高分子バイオマテリアル
機能性高分子化合物を使用したバイオマテリアルや組織工学用材料の研究が盛んにされています。人工臓器やDDSには高分子化合物のようなソフトマテリアルが多く使用され、研究されています。バルクな材料だけでなく、コロイドやミセル、溶液なども一種のバイオマテリアルとして様々な場面での研究が展開されています。 高分子材料はそのバルク界面で、もしくは溶液状態で細胞や組織と相互作用し、機能を制御することが可能であることがわかってきました。また、様々な場面でその機能を利用したバイオマテリアルの研究開発が行われています。 我々は水溶液として用いることで細胞を凍結保存することができる高分子を見出し、その機序を調べると共に応用を目指しています。この不思議な現象は、電荷密度の高い高分子化合物、特に両性電解質高分子に見られる特徴であることがわかって来ました。低温生物学的には細胞などの様な水を含む高次構造体をそのまま凍結すると細胞内の水の結晶化により致命的なダメージが加わり、死滅します。そのため、ジメチルスルホキシドの様な膜透過性低分子化合物を添加して障害を軽減する方法が採られてきました。しかし、膜を透過しないと考えられる高分子化合物で細胞を凍結時のダメージから保護できるということは、これまでの常識では考えにくいことでした。従って、この現象の機序を解明することで、凍結保護だけでなく、生体組織や高次構造体の保護作用などへとつながる可能性を秘めています。高分子化合物ですので、ゲルやフィルムへの加工も可能です。この研究は低温生物学領域からも注目されており、農学や医学など種々の異なる分野との共同研究にも野心的に取り組んでいます。両性電解資質高分子は、ポリイオンコンプレックス形成の制御などにより動的な構造変化を起こすことから、興味深い物性を示すことが報告されています。この特異的性質と細胞等生体組織との相互作用を研究することで、この機能を利用したこれまでに無い新しい材料の開発にも挑戦したいと考えています。 また、生体組織と調和する生体材料の開発など生体機能の再生を目的とした診断・治療の支援を行うために、材料工学の手法を用いた、基礎的ならびに応用的研究も目指しています。具体的には、再生医療のための足場材料の設計、ドラッグデリバリー基材としての高分子ナノ構造体、ハイドロゲルを用いた人工関節用材料の設計など、高分子材料の観点から生物と化学の融合を目指し、さらには生体を凌駕するような機能を探求しています。 備考

■研究業績

◆発表論文
Elucidating the degradation mechanism of a self-degradable dextran-based medical adhesive.
Woogi Hyon, Shuji Shibata, Etsuo Ozaki, Motoki Fujimura, Suong-Hyu Hyon, Kazuaki Matsumura
Carbohydrate polymers, 278, 118949-118949, 2022
Facile Photolithographic Fabrication of Zwitterionic Polymer Microneedles with Protein Aggregation Inhibition for Transdermal Drug Delivery
Harit Pitakjakpipop, Robin Rajan, Kittipong Tantisantisom, Pakorn Opaprakasit, Duy Dang Nguyen, Van Anh Ho, Kazuaki Matsumura, Paisan Khanchaitit
Biomacromolecules, -, 2022
Quick and Mild Isolation of Intact Lysosomes Using Magnetic–Plasmonic Hybrid Nanoparticles
The Son Le, Mari Takahashi, Noriyoshi Isozumi, Akio Miyazato, Yuichi Hiratsuka, Kazuaki Matsumura, Tomohiko Taguchi, Shinya Maenosono
ACS Nano, -, 2022
Avengers against cancer: A new era of nano-biomaterial-based therapeutics
Nishant Kumar, Sajid Fazal, Eijiro Miyako, Kazuaki Matsumura, Robin Rajan
MATERIALS TODAY, 51, 317-349, 2021
Gene expression analysis of human induced pluripotent stem cells cryopreserved by vitrification using StemCell Keep
Akemi Ota, Suong-Hyu Hyon, Shoichiro Sumi, Kazuaki Matsumura
Biochemistry and Biophysics Reports, 28, 101172-101172, 2021
◆Misc
カルボキシル基導入ポリリジンを用いたラット初期胚のガラス化保存法の開発
鴨下 真紀, 中野 成実, 藤原 克祥, 須山 あゆみ, 松村 和明, 玄 丞烋, 伊藤 潤哉, 柏崎 直巳
Journal of mammalian ova research, 37, 1, 31-35, 2020
カルボキシル基導入ポリリジンおよびpolyvinyl alcoholを用いたC57BL/6Jマウス前核期胚のガラス化保存法の改良
石井緑, 鴨下真紀, 松村和明, 玄丞烋, 伊藤潤哉, 伊藤潤哉, 柏崎直巳, 柏崎直巳
日本畜産学会大会講演要旨, 124th, -, 2018
磁性-プラズモンハイブリッドナノ粒子を用いたオートファゴソームの磁気分離
高橋 麻里, プリヤンク・モハン, 向井 康治朗, 武田 裕一, 松本 多圭夫, 松村 和明, 高倉 正博, 新井 洋由, 田口 友彦, 前之園 信也
日本バイオマテリアル学会大会予稿集, 39回, 209-209, 2017
プロダクトマテリアルの質感創出の試行
永井由佳里, 宮田一乘, 日高昇平, 松村和明, 長尾祐樹
日本認知科学会大会発表論文集(CD-ROM), 34th, 896‐898-, 2017
◆書籍
ACS Symposium SeriesVol. 1350, Polymers in Therapeutic Delivery. Design of Stimuli-Responsive Polyampholytes and Their Transformation into Micro-Hydrogels for Drug Delivery
共著, American Chemical Society, 2020
Development and Application of Cryoprotectants (Chapter 18), In Survival Strategies in Extreme Cold and Desiccation. Eds Mari Iwaya-Inoue, Minoru Sakurai, Matsuo Uemura
339-354, Springer, 2018
分解性多糖類ハイドロゲルの医療応用、医療用バイオマテリアルの研究開発
147-156, シーエムシー出版, 2017
Medical Application ofPolyampholytes. In Biopolymers for Medical Applications
pp 164-181, CRC Press, 2016
緑茶カテキンの再生医療への応用, ポリフェノール:機能性成分研究開発の最新動向, 監修:波多野力、下田博司
共著, シーエムシー出版、pp240-247. 2016, 2016
◆講演・口頭発表
Dehydration controlling mechanism of cryoprotection of membrane non-penetrating polyampholytes cryoprotectants by solid-state NMR
World Biomaterials Congress 2020, 2020
両性電解質高分子による細胞凍結保存の機序とその応用
Cryopreservation Conference 2020, 2020
pH依存多剤放出制御型両性電解質高分子ゲル
第69回高分子討論会, 2020
THERMORESPONSIVE DEGRADATION CONTROL OF POLYSACCHARIDES FOR DRUG DELIVERY
107th Indian Science Congress, 2020
Vitrification of spheroids by using polyampholytes without liquid nitrogen
TEMRIS-AP+ABMC7, 2019

■担当講義

Materials Design(E), Evaluation of Functions of Materials(E), Polymer Chemistry II, Introduction of Chemistry, 材料設計特論(E), 機能評価特論(E), ナノ分子解析論, 分子設計特論, 高分子化学特論II, 材料化学概論

■学外活動

◆所属学会
アメリカ化学会, 低温生物工学会, 日本再生医療学会, 日本バイオマテリアル学会, 高分子学会, 日本化学会
◆学術貢献活動
International Workshop on Functional Polymer Science and Interface 2013 , Kazuaki Matsumura, Associate professor, JAIST , 2013 , JAIST
理事 , 低温生物工学会
低温生物工学会誌編集委員 , 低温生物工学会

■賞等

・ 高分子学会三菱ケミカル賞 , 高分子学会 , 2021
・ 科学奨励賞 , 松村 和明 , 低温生物工学会 , 2015
・ 学長賞(研究活動賞) , 松村 和明 , 北陸先端科学技術大学院大学 , 2015