松見 紀佳 (MATSUMI, Noriyoshi)教授
融合科学系, マテリアルサイエンス系, 物質化学領域, マテリアルサイエンス研究科
◆学位
博士(工学) 京都大学
◆職歴
2006 - : - 名古屋大学大学院生命農学研究科 助教授
2004 - 2006 : 東京農工大学大学院共生科学技術研究部 助手
2000 - 2004 : 東京農工大学工学部生命工学科 助手 , Faculty of Engineering, Department of Biotechnology and Life Science
1999 - 2000 : 日本学術振興会特別研究員
: 名古屋大学 大学院生命農学研究科 応用分子生命科学専攻 大学院生命農学研究科・農学部 応用分子生命科学専攻 , 准教授
: (京都大学大学院工学研究科高分子化学専攻)
◆専門分野
電子デバイス、電子機器, 機能物性化学, 高分子化学
◆研究キーワード
高分子固体電解質, 光電子機能性材料, 高分子合成, リチウムイオン2次電池, 色素増感太陽電池, 光伝導性材料
◆研究課題
リチウムイオン2次電池の課題解決を指向した電解質材料の分子デザイン、色素増感太陽電池向け高分子色素増感剤の合成
1.リチウムイオン2次電池の課題解決を指向した電解質材料の開発  今日、リチウムイオン2次電池は各種モバイルデバイス用電源のみならず環境対応自動車向け電源や自然エネルギーバックアップ用電源、家庭向け電源として脚光を浴びており、スマートグリッドシステムの構築においても多大なる役割が想定されています。高いエネルギー密度を有するリチウムイオン2次電池ですが、同時に多くの課題も山積しています。数十年来にわたり電解質として検討されてきたポリエーテルや、今世紀に入ってから活発に研究されているイオン液体においてはリチウムイオンの輸送選択性が低いことが課題です。そこで本研究グループではホウ素化学をはじめとするヘテロ元素化学を駆使し、アニオンレセプターや高解離性リチウム塩を導入した新規電解質を開発することにより、リチウムイオン輸送選択性向上への問題解決に挑んでいます。例えば、高分子化イオン液体にアルキルボラン骨格を導入することにより、アニオントラップ型電解質としてはこれまでで最も高いリチウムイオン輸率(0.87)を達成しています。  同時に、重要な課題として挙げられるのが安全性の向上です。リチウムイオン2次電池においてはこれまで国内外において発火、爆発事故によるリコール報道が相次いできました。今後大容量化への社会的要求が大きなリチウムイオン2次電池において安全対応は急務であり、本研究グループでは難燃性電解質材料の設計と評価を通して、次世代電池の基幹的な電解質の創出を目指して研究を行っています。例えば、イオン液体中における多糖類と各種ホウ素化合物との反応を経て合成された有機・無機ハイブリッド型イオンゲル電解質は優れたイオン伝導特性と難燃性を併せ持つことが見出されており、今後精力的に発展させていく予定です。 2.色素増感太陽電池向け高分子色素増感剤の開発  無尽蔵な太陽光を利用し、燃料を必要としない太陽光発電は、低炭素化技術の切り札として活発に研究が進められています。中でも新型電池として軽量で低コスト化が望める色素増感太陽電池の普及拡大に期待が高まっています。本研究グループでは、今日の色素増感太陽電池における優れた色素増感剤であるベータジケトナートルテニウム錯体を高分子化し、機能向上に取り組んでいます。色素を高分子化することにより、高分子色素特有の集光効果(アンテナ効果)による光電変換効率向上が期待できるほか、高分子担持によるレアメタル(ルテニウム)の回収再利用の促進、高分子効果(多点相互作用)による電極への吸着性の向上、安価な有機色素ユニットをアンテナとして活用することによるレアメタル(ルテニウム)使用量の大幅な低減などが望まれます。例えば本グループではうこんの機能色素であるクルクミン由来ポリエステルをベータジケトン型高分子配位子として利用した様々な高分子ルテニウム錯体を開発し、実際に太陽電池を構築しつつ機能評価を行っています。 備考

■研究業績

◆発表論文
In situ sol-gel preparation of ZrO2 in nano-composite polymer electrolyte of PVDF-HFP/MG49 for lithium-ion polymer battery
Khoon Lee Tian, Fui Mark-Lee Wun, Hassan Nur Hasyareeda, Su'ait Mohd Sukor, Vedarajan Raman, Matsumi Noriyoshi, Bin Kassim Mohammad, Shyuan Loh Kee, Ahmad Azizan
JOURNAL OF SOL-GEL SCIENCE AND TECHNOLOGY, 90, 3, 665-675, 2019
N-Boronated polybenzimidazole for composite electrolyte design of highly ion conducting pseudo solid-state ion gel electrolytes with a high Li-transference number
Nag Aniruddha, Ali Mohammad Asif, Singh Ankit, Vedarajan Raman, Matsumi Noriyoshi, Kaneko Tatsuo
JOURNAL OF MATERIALS CHEMISTRY A, 7, 9, 4459-4468, 2019
Flame-retardant properties of in situ sol-gel synthesized inorganic borosilicate/silicate polymer scaffold matrix comprising ionic liquid
Smaran Kumar Sai, Badam Rajashekar, Vedarajan Raman, Matsumi Noriyoshi
FRONTIERS IN ENERGY, 13, 1, 163-171, 2019
Photo-generation of ultra-small Pt nanoparticles on carbon-titanium dioxide nanotube composites: A novel strategy for efficient ORR activity with low Pt content
Bukka Santhosh, Badam Rajashekar, Vedarajan Raman, Matsumi Noriyoshi
INTERNATIONAL JOURNAL OF HYDROGEN ENERGY, 44, 10, 4745-4753, 2019
Fine-tuning of phase behavior of oxazoline copolymer-based organic–inorganic hybrids as solid-supported sol–gel materials
Surabhi Gupta, Tomoharu Kataoka, Masao Watanabe, Mamoru Ishikiriyama, Noriyoshi Matsumi
Journal of Applied Polymer Science, -, 2019
◆Misc
0.9以上のリチウムイオン輸率を示す液状電解液の創出 (特集 ファインケミカル R&Dセレクション)
松見 紀佳
ファインケミカル : 調査・資料・報道・抄録, 46, 12, 31-35, 2017
世界化学年に寄せて : 化学研究の魅力とは?
松見 紀佳
化学と工業 = Chemistry and chemical industry, 64, 8, 620-621, 2011
◆書籍
高性能リチウムイオン電池開発最前線
286-296, NTS, 2013
全固体リチウムイオン二次電池の開発と製造技術/ホウ素の特性を活用した有機・無機ハイブリッド型イオンゲル電解質
116-128, サイエンス&テクノロジー, 2012
Advanced、有機ホウ素化学を活かしたリチウムイオン2次電池向け電解質材料の設計
8-10, (財)北陸先端科学技術大学院大学支援財団, 2011
Materials Stage、クルクミン由来の機能材料~バイオベースポリマーから太陽電池向け材料まで
7-11, Materials Stage, 技術情報協会, 2011
ヘテロ元素の特性を活かした新機能材料、第4章リチウムイオン輸送材料としての有機ホウ素系電解質の設計
P31-P42, シーエムシー出版, 2010
◆講演・口頭発表
リチウムイオン2次電池における有機・無機ハイブリッド型材料
高分子学会東海ミニシンポジウム 主題=革新的な二次電池、燃料電池を支える材料・解析・プロセス技術, 豊田中央研究所, 2017
Organoboron Electrolytes for Enhanced Performance of Energy and Sensing Devices
JAIST JAPAN-INDIA Symposium on Materials Science 2017, JAIST, KS lecture room, 2017
Ionic liquid/borane binary electrolyte with remarkably high lithium transference number
PRiME2016, Hawai Convention Center, Honolulu, U. S., 2016
結晶性ホウ素化合物を足場としたリチウムイオン輸送性マトリックスの設計
第65回高分子討論会, 神奈川大学, 2016
Crystalline Organoboron Compounds as Scafford for Ion Conductive Path via Boron-Anion Interaction
ISPE-15 (International Symposium on Polymer Electrolyte), Upsala, Sweden, 2016

■担当講義

Chemistry of Organic Molecules, Properties of Organic Materials, Materials Morphology (E), Transdisciplinary Session I, 有機分子化学特論, 有機材料物性特論, 材料形態特論(E), 異分野「超」体験セッションⅠ

■学外活動

◆所属学会
American Chemical Society (米国化学会), 電気化学会, 高分子学会, 日本化学会
◆学術貢献活動
JAIST Japan-India Symposium on Materials Science 2018 , 物質化学領域・教授・松見紀佳 , 2018 - 2018 , 知識科学講義棟中会議室
JAIST Japan-India Symposium on Materials Science 2017 , マテリアルサイエンス系・教授・松見紀佳 , 2017 - 2017 , 知識科学中講義室
DU-JAIST Indo-Japan Symposium on Chemistry of Functional Molecules/Materials , University of Delhi, Professor, Diwan RawatJAIST, Professor, Kohki EbitaniJAIST, Professor, Noriyoshi Matsumi , 2016 - 2016 , University of Delhi

■賞等

・ 田中貴金属MMS賞 , 田中ホールディングス株式会社 , 2015
・ Polymer Journal 論文賞―日本ゼオン賞 , 高分子学会 , 2010
・ 高分子研究奨励賞 , 2006