平石 邦彦 (HIRAISHI, Kunihiko)教授
情報科学, コンピューティング科学研究領域
◆学位
工学士 東京工業大学
工学修士 東京工業大学
工学博士 東京工業大学
◆職歴
2016 - : 北陸先端科学技術大学院大学 , 先端科学技術研究科 , 教授
2016 - 2022 : 北陸先端科学技術大学院大学 , 情報社会基盤研究センター , センター長
2016 - 2019 : 国立情報学研究所 , 客員教授
2003 - 2016 : 北陸先端科学技術大学院大学 , 情報科学研究科 , 教授
1993 - 2003 : 北陸先端科学技術大学院大学 , 情報科学研究科 , 助教授
1985 - 1993 : 富士通・富士通研究所 , 国際情報社会科学研究所
◆専門分野
制御、システム工学, 数理情報学, 情報学基礎論
◆研究キーワード
ハイブリッドシステムに関する研究, 離散事象システム, 特に並行システム, システムの形式的モデル化と解析
◆研究課題
離散事象システム/ハイブリッドシステムのモデル化と解析
システムの状態が離散的に変化するようなシステムを離散事象システムと呼ぶ.このようなシステムは,計算機システム,生産システム,通信ネットワークなど様々な領域に現れる.離散事象システムを表現するために,オートマトンベースのモデル,グラフ的モデル,代数的モデル,論理モデル等様々な形式的モデルが提案されており,これらを用いて離散事象システムの諸問題について研究を行っている.さらに,連続ダイナミクスと離散ダイナミクスをあわせ持つハイブリッドシステムについても研究を行っている.
並行システムの設計・検証のための基礎理論
並行動作を許すシステムの解析では,逐次的なシステムでは起こり得ないような様々な問題が発生する.例えば,状態空間爆発の問題は,システムが取り得る状態数がモデルのサイズに対し指数関数的に増大する現象であり,解析における大きな障害になっている.これらの問題を解決するための方法及びそのための基礎理論について研究を行う.
看護・介護サービスにおける複雑なプロセスのモデル化
科学技術振興機構・社会技術研究開発センター(JST/RISTEX)では,2010年度からサービス科学の研究開発を目的とした「問題解決型サービス科学研究開発」プログラムを開始した.「音声つぶやきによる医療・介護サービス空間のコミュニケーション革新」(期間:2010.10~2013.9)は採択されたプロジェクトの1つであり,「音声つぶやきインタラクションによるストレスフリー情報アシストシステム」の開発を行っている.このシステムは作業者の状況に応じた適切なメッセージング(音声つぶやき)を行うことで,作業者間の連携支援や知識共有,記録の省力化を実現し,業務に伴うストレスを減らすことを目指している。作業者の状況を的確に把握するためには,各作業者がどのような作業スケジュールに従って業務を行い,また様々な状況においてどのように行動するのかを記述した正確な業務プロセスモデルが必要であると考えられる。本研究では,看護・介護サービスを中心とした人間系の業務プロセスのモデル化に向けて,モデル化の課題およびそれらに対する解決法について考察する.

■研究業績

◆発表論文
A fuzzy multi-criteria decision-making for optimizing supply chain aggregate production planning based on cost reduction and risk mitigation
Noppasorn Sutthibutr, Kunihiko Hiraishi, Navee Chiadamrong
Journal of Open Innovation: Technology, Market, and Complexity, 10, 4, 100377-100377, 2024
A POMDP-Based Approach to Assortment Optimization Problem for Vending Machine
Gaku NEMOTO, Kunihiko HIRAISHI
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences, E107.A, 6, 909-918, 2024
A five-phase combinatorial approach for solving a fuzzy linear programming supply chain production planning problem
Noppasorn Sutthibutr, Navee Chiadamrong, Kunihiko Hiraishi, Suttipong Thajchayapong
Cogent Engineering, 11, 1, -, 2024
交通流データのイベント抽出による解析-大規模軌跡データからの主要経路の抽出-
平石邦彦
信学技報, MSS2023, 57, 31-34, 2024
A New Integrated Fuzzy Optimization Approach for Sustainable Supply Chain Planning subjected to Sustainability and Uncertain Environments
Noppasorn Sutthibutr, Kunihiko Hiraishi, Navee Chiadamrong, Suttipong Thajchayapong
10th IEEE Asia-Pacific Conference on Computer Science and Data Engineering(CSDE), -, 2023
◆Misc
ミニ移動大学における気づきコミュニケーションの創発性
岡田 政則, 内平 直志, 平石 邦彦, 國藤 進
ワークショップ2018 (GN Workshop 2018) 論文集, 2018, 1-6, 2018
フィールドワークにおけるつぶやきシステムの効果 (システム数理と応用)
岡田 政則, 内平 直志, 平石 邦彦, 國藤 進
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報, 117, 301, 41-44, 2017
看護・介護サービスにおけるケアスタッフの連携行動の解析
小林孝一, 平石邦彦, 崔 舜星, 内平直志
電子情報通信学会技術研究報告, 116, 525, 7-10, 2017
切換型線形回帰モデルを用いた看護・介護サービスの行動解析について (システム数理と応用)
小林 孝一, 平石 邦彦, 崔 舜星, 内平 直志
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報, 115, 480, 57-60, 2016
突発的イベント発生時の音声つぶやきシステムによるスタッフ間の連携効果 (システム数理と応用)
崔 舜星, 平石 邦彦, 内平 直志
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報, 115, 419, 7-11, 2016
◆書籍
形式的モデル化 離散事象/実時間/ハイブリッドシステムのモデル化と解析
単著, 森北出版, 2019
機械工学便覧 デザイン編β6「制御システム」
共著, 日本機械学会, 2006
ペトリネットの理論と実践
共著, 朝倉書店, 1995
◆講演・口頭発表
固定経路のない交通流データにおける主要経路抽出手法
電子情報通信学会ソサイエティ大会企画セッションAK-2. 時系列AI技術の最前線, 2022
プロセスマイニング技術を応用した空港面交通流のメゾスコピックモデル化手法
CARATSオープンデータ活用促進フォーラム, 2021
離散状態システムの理論からプロセスマイニングへ
電子情報通信学会総合大会 AI-1 プロセスマイニング -データサイエンスと離散事象システム理論の融合, 2021
A POMDP-based Approach to Assortment Optimization Problem for Vending Machine
IEEE IEEM2019, 2019
空域におけるセクター間交通流のモデル化
CARATSオープンデータ活用促進説明会, 国土交通省航空局・北陸先端大, 石川県金沢市, 2019

■担当講義

Advanced Topics in IoT and AI, Theory of Discrete-State Systems, System Optimization(E), System Optimization, IoT・AIイノベーション特論, 離散状態システムの理論, システム最適化(E), システム最適化

■学外活動

◆所属学会
IEEE, 計測自動制御学会, 情報処理学会, 電子情報通信学会
◆学術貢献活動
Editorial Board Member , Transaction on Petri Nets and Other Models of Concurrency
Member , International Conference on Application and Theory of Petri Nets and Concurrency,Steering committee
Member , IFAC Technical Committee 1.3 on Discrete Event and Hybrid Systems
◆社会貢献活動
・ 32nd International Conference on Application and Theory of Petri Nets and Other Models of Concurrency/11th International Conference on Application of Concurrency to System Design , 北陸先端科学技術大学院大学・教授・平石邦彦, Newcastle University・Professor・Maciej Koutny, Newcastle University・Professor・Alex Yakovlev 2011 - 2011
・ Petri Nets and Software Engineering 2011 , University of Hamburg・Teacher・Michael Duvigneau,University of Hamburg・Lecturer・Daniel Moldt, 北陸先端科学技術大学院大学・教授・平石邦彦 2011 - 2011

■賞等

・ 論文賞 , 平石 邦彦 , 電子情報通信学会 , 2005
・ 論文賞 , 平石 邦彦, 市川惇信 , 計測自動制御学会 , 1990