松本 正 (MATSUMOTO, Tadashi)教授
情報科学系,セキュリティ・ネットワーク領域
◆学位
慶應義塾大学工学士(1978)、慶應義塾大学工学修士(1980)、慶應義塾大学工学博士(1991)
◆職歴
: 日本電信電話公社(NTT)(1980)、NTTドコモ(1992)、オウル大学無線通信研究所教授(2002)、イルメナウ工科大学客員教授(2006)
◆専門分野
ワイヤレス通信、情報理論、符号理論、繰り返し(ターボ)アルゴリズム、ネットワーク情報理論、リレー/センサーネットワークの情報理論的解析及び符号化、多次元無線チャネル解析、など
◆研究キーワード
ターボ符号, ターボ等化, ネットワーク情報理論, 相互情報量伝達チャート
◆研究課題
情報源符号とチャネル符号のメッセージパッシングアルゴリズム(ターボ原理)による復号
情報源符号の復号とチャネル符号の復号をターボ原理を用いて復号することで、相互にロスのない適応符号化を目指す。相互情報量の伝達特性を評価することで、ロスの最小化を図る。
複数ターボループのActivation Control
複数のターボループが存在する信号受信システムでは、最短時間で復号処理を終わらせるために、送信情報に関する相互情報量を最大にするための最短ルートを検索しなければならない。このためには、ターボループのActivation Controlをどのように行うためのアルゴリズム開発が必要となる。
MAC Region とSlepian Wolf Regionの統合とその応用
Multiple Access Channel におけるrate regionと相関のある複数情報源の符号化に必要なRate Regionを統合的に解析する手法を確立する。さらに、その結果をセンサーネットワークやリレーネットワークにおける協調符号化に応用することで、MACチャネルにおける情報源符号化とチャネル符号化の最適設計法を明らかにする。
センサーネットワークのための情報源圧縮
センサーネットワークにおけるバッテリーライフタイムを長期化させるという要求を満たすためには、センサーから送信される信号のビットレートを下げることが最も有効と考えられる。この研究の目的は、相関のある複数の情報源間の相関を隠れマルコフモデルで表現できることに着目し、その情報を受信機が知ることで、複数ターボループを持つ受信システムを構築し、各センサーからの送信ビットレートを極限まで下げることにある。
マルチホップネットワークのための協調符号化
ワイヤレスマルチホップネットワークでは、複数のリレー端末での協調符号化を行うことが、スループット特性の改善と符号化利得やダイバーシティ利得を得る上で有効なことが知られている。この研究では、送信者やリレー端末から送信される信号に相関があることに着目し、協調符号化伝送のためのチャネル符号を相関の情報を用いたターボ復号することで、特性の更なる改善を図る。
ターボ推定アルゴリズム(ターボチャネル推定、ターボ同期、など)
この研究では、ワイヤレス通信における種々の推定問題(チャネル推定、予測、及び同期など)の解決のために、ターボ技術を用いたアルゴリズムを開発することを目的とする。推定のための機能図をファクターグラフで表現することで、この上でのメッセージパッシングによる推定が可能となる。
ワイヤレスネットワークにおけるクロスレイヤー問題(適応資源配分、適応符号化、など)
適応資源配分や適応符号化はクロスレイヤー問題と呼ばれ、周波数利用効率やパワー効率に優れたユビキタスワイヤレスネットワークを構築する上で最も重要な課題のひとつといえる。この研究では、ワイヤレスネットワークにおけるクロスレイヤー問題をネットワーク自身が自律的に解決するためのアルゴリズム構築を目標にする。複数のネットワークノード間でメッセージパッシングを行うことによる、ターボアルゴリズムによる解決を目指す。
ターボアルゴリズムによる言語のセマンティック解析
意味レベルでの言語解析システムは、複数の異なるレベルにおける判断が結合された分散Decision Making Systemと見ることができる。このシステムにメッセージパッシングによるターボアルゴリズムを適用することで、高ノイズ環境における意味レベル解析システムの構築を目指す。

■研究業績

◆発表論文
Successive Wyner-Ziv Coding for the Binary CEO Problem under Logarithmic Loss
Mahdi Nangir, Reza Asvadi, Jun Chen, Mahmoud Ahmadian-Attari, and Tad Matsumoto
IEEE TRANSACTIONS ON COMMUNICATIONS, -, 2019/09
Rate-Distortion and Outage Probability Analyses for Single Helper Assisted Lossy Communications
Wenshen Lin, Qiang Xue, Jiguang He, Markku Juntti, Tad Matsumoto
IEEE Transactions on Vehicular Technology, -, 2019/08
Lossy-Forward Relaying for Lossy Communications: Rate-Distortion and Outage Probability Analyses
Lin Wensheng, Qian Shen, Matsumoto Tad
IEEE TRANSACTIONS ON WIRELESS COMMUNICATIONS, 18, 8, 3974-3986, 2019/08
A Tutorial on Lossy Forwarding Cooperative Relaying
He Jiguang, Tervo Valtteri, Zhou Xiaobo, He Xin, Qian Shen, Cheng Meng, Juntti Markku, Matsumoto Tad
IEEE COMMUNICATIONS SURVEYS AND TUTORIALS, 21, 1, 66-87, 2019
◆Misc
ターボ等化の基礎,及び情報理論的考察
松本 正, 衣斐 信介
電子情報通信学会論文誌 B, 90, 1, 1-16, 2007/01/01
FPGAを用いて実現したトレリス符号化同一チャネル干渉波キャンセラのリアルタイム室内伝送実験
村田 英一, 塚本 悟司, 冨里 繁, 松本 正, 吉田 進
電子情報通信学会論文誌. B, 通信, 84, 7, 1226-1232, 2001/07/01
移動通信における誤り制御方式 (通信路符号化と誤り制御方式論文特集)
松本 正, 吉田 進
電子情報通信学会論文誌 A 基礎・境界, 73, 2, p232-236, 1990/02
◆書籍
Chapter: "Equalization" in "Mobile Broadband Multimedia Networks: Techniques, Models and Tools for 4th Generation Communication Networks"
Tadashi Matsumoto, 共著, pp. 51-65, Elsevier, 2006
Chapter: "Iterative (Turbo) Signal Processing Techniques for MIMO Signal Detection and Equalization" in "Smart Antenna; State-Of-the-Art"
Tadashi Matsumoto, 共著, pp.119-146, EURASIP Book Series on Signal Processing and Communications: Hindawi, 2005
◆講演・口頭発表
[Invited Talk] Lossy forwarding over non-Orthogonal MAC channels
Tad Matsumoto, Shen Qian, and Jiguan He
IEICE RCS Technical Meeting, May 10-11, 2018, @ KEIO University, 2018
Lossy Communications for IoT: from multi-terminal source coding viewpoint (Invited)
Tadashi Matsumoto
Wenjin Forum (中国Anhui 師範大学における最高レベルの技術討論フォーラム), 中国Anhui 師範大学, 2017/10/16
Cooperative Communications: from the correlated source coding theorem viewpoint (Invited)
Tadashi Matsumoto
The 7th International Conference on Electronics, Communications and Networks, Nov. 24-27, 2017, National Dong Hwa University, Hualien, Taiwan, Hualien, Taiwan, 2017
Lossy Communications for IoT: from multi-terminal source coding viewpoint (Invited)
Tadashi Matsumoto
The Eleventh China Wireless Sensor Network ConferenceTianjin, Oct 13-15, 2017, Tianjin University, China, 2017
Lossy Forwarding Relay System: Rate Region and Outage Analyses - Can Shannon meet Erlang in the Air?-
Tad Matsumoto
IEEE ICC 2016 Workshop: Cooperative Communications for Future Super Dense Wireless Networks, May 27, Kuala Lumpure, Kuala Lumpure, 2016

■学外活動

◆所属学会
電気電子学会, 電子情報通信学会
◆学術貢献活動
International Workshop on Advanced PHY and MAC Techniques for Super Dense Wireless Networks, in conjunction with IEEE ICC 2015(開催済) , General Chair: Prof. Rahim Tafazori, University of Surrey, UKICCはIEEEにおける通信関係のソサエティComSocのフラグシップ国際会議で、高品質な論文と厳しい採択基準で知られる。ICCは、レギュラー論文の他に、ある限定したトピックの論文を集めたWorkshopを開催し、Workshopは提案に基づく審査を経て採択が決定される。 , 2015/06/08 - 2015/06/12 , 本WorkshopはJAISTが正式メンバーであるEU FP7 RESCUE Projectが母体になって提案されたもので、厳しい競争を勝ち抜いて採択された。
Wireless Personal Multimedia Communications Symposium (WPMC) 2008 , Center for Wireless Communications, University of Oulu, Finland , 2008/09/08 - 2008/09/11 , Lapland, Finland

■賞等

・ IEEE VTS ソサエティ推奨講演プログラム卓越的貢献への感謝状 , 電気電子学会 移動体技術ソサエティ , 2018/07/30
・ 電気電子学会(IEEE) 通信ソサエティ 2017優秀査読者認定 , 電気電子学会(IEEE)通信ソサエティ  , 2018/04
・ 電気電子学会 移動体技術ソサエティ Recognition of Outstanding Distinguished Lecturer for 2011-2015 , 電気電子学会 , 2016/03/28