堀田 將 (HORITA, Susumu)学長補佐(特命事項担当), 教授
融合科学, マテリアルサイエンス, ナノマテリアル・デバイス研究領域
◆学位
工学博士 東京工業大学
◆職歴
1988 - : Recturer (1988), Associate Professor (1992) at Kanazawa University
1987 - : 金沢大学工学部助手 (1987),同講師 (1988),同助教授 (1992) , Faculty of Engineering
◆専門分野
電子デバイス、電子機器, 電気電子材料工学
◆研究キーワード
シリコーンオイル, オゾン, 低温Si酸化膜作製, スパッタリング, TFT, 薄膜トランジスタ, 結晶化Si薄膜, 強誘電体薄膜, 強誘電体メモリ, Si薄膜, 薄膜作製, 薄膜結晶成長, 半導体工学, 電子デバイス, silicon oxide film, laser anneal
◆研究課題
ガラス基板上へのパルスレーザによる結晶粒界位置を制御した低温多結晶シリコン薄膜の形成
パルスレーザにより非晶質ガラス基板上に堆積したSi薄膜を溶融結晶化させて、実効的に低温で多結晶Si薄膜を得るが、キャリアの移動度を下げる原因となっている結晶粒界の位置を我々の独自の手法により制御することを行っている。最終的には、単結晶レベルの特性を持つシリコン薄膜を形成し、液晶ディスプレイ用のTFT(Thin Film Transistor)などへの実用化を目指す。
ガラス基板上への種結晶(テンプレイト)層を用いた結晶化シリコン薄膜の低温形成
ガラスやプラスチックなどの非晶質基板上に、低温で結晶化したSi薄膜を得ることは新機能デバイスの創成につながる。本研究では、ガラス基板上に、後に堆積するSi薄膜の結晶化を誘発する多結晶種結晶(テンプレイト)層をあらかじめ低温で形成することによって、堆積Si薄膜をより低温で結晶化することを試みている。
オゾンガスとシリコーンオイルによるシリコン酸化膜の低温形成
1%程度のオゾンガスを用いて、200度60分程度の低温短時間でシリコン酸化膜が60nm程度形成できるオゾンとシリコーンオイルを用いた酸化膜形成法を独自に見い出し、その基礎的研究を行っている。通常このような低温では、プラズマなどを用いて形成しているが、それではプラズマダメージがあり好ましくない。本手法により、プラズマダメージが無く低温で、良質なシリコン酸化膜が形成できる可能性がある。
シリコン基板上への集積化強誘電体メモリの作製
強誘電体メモリとは、強誘電体の残留分極を利用した、不揮発性でありながら、低電圧駆動で高書き込み耐性があり、高速・高密度化が可能な高度情報化社会のニーズに対応できる究極のメモリデバイスのことである。本研究では、強誘電体であるPZT(Pb(Zr,Ti)O3)薄膜とSi基板を用いて集積化した新しい原理のメモリデバイスを作製し、その実用化を目指した基礎研究を行う。

■研究業績

◆発表論文
Deposition Condition at Low Temperature for Crystallization Enhancement of YSZ Films on Glass Substrates by Reactive Sputtering
Jyotish Patidar, Susumu Horita
Proceedings of AM-FPD 2020 - 27th International Workshop on Active-Matrix Flatpanel Displays and Devices: TFT Technologies and FPD Materials, 89-92, 2020
Investigation on Silicon Oxide Films Grown by Using Silicone Oil and Ozone at Low-Temperature
Sanjida Ferdous, Abu Bakar, Md Ismail, Susumu Horita
International Conference on Computer, Communication, Chemical, Material and Electronic Engineering, IC4ME2 2018, -, 2018
◆Misc
Si基板上でのエピタキシャル強誘電体薄膜の配向制御法の確立
岡本庄司, 渡辺隆之, 森岡仁, 横山信太郎, 秋山賢輔, 村中一樹, 堀田將, 舟窪浩
第64回応用物理学会学術講演会, 2a-V-8, 505-, 2003
Structural and electrical properties of yttria-stabilized zirconia films with controlled Y content heteroepitaxially grown on Si by reactive sputtering
S Horita, M Watanabe, A Masuda
MATERIALS SCIENCE AND ENGINEERING B-SOLID STATE MATERIALS FOR ADVANCED TECHNOLOGY, 54, 1-2, 79-83, 1998
Interface control of Pb(ZrxTi1-x)O-3 thin film on silicon substrate with heteroepitaxial YSZ buffer layer
S Horita, T Naruse, M Watanabe, A Masuda, T Kawada, Y Abe
APPLIED SURFACE SCIENCE, 117, 429-433, 1997
反応性スパッタ法によるSi基板上へのY組成制御YSZ薄膜のヘテロエピタキシャル成長
渡部 幹雄, 成瀬 哲哉, 増田 淳, 堀田 将
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料, 96, 349, 19-25, 1996
◆書籍
薄膜作製応用ハンドブック
分担執筆, エヌ・ティー・エス, 2020
薄膜ハンドブック(第2版)、4・3 誘電特性4・3・1 誘電体薄膜の性質(2)強誘電性
共著, オーム社, 2008
薄膜トランジスタ 、1章(分担)
共著, 1-9, コロナ社, 2008
◆講演・口頭発表
Effect of ammonia gas in annealing process on reduction of residual OH-bonds and improvement of electrical properties of low-temperature silicon oxide films
The 4th International Workshop on Advanced Materials and Devices IWAMD 2023, EMD-I7, 2023
堆積後その場熱処理による低温酸化Si膜中残留OH基量の堆積温度依存性
2023年第70回応用物理学会春季学術講演会, 15p-PA04-2,12-063, 2023
Quantitative Evaluation of Low-temperature Si Oxide Films by Derivative FT-IR Spectra
The 29th International Display Workshops(IDW' 22), FMCp3-5L, pp. 361-364., 2022
FT-IR微分スペクトルによる低温酸化Si膜中の残留OH基量の評価
第83回応用物理学会秋季学術講演会、23a-P04-2、12-292ページ, 2022
反応性スパッタ法により低温堆積したYSZ薄膜の結晶性への基板温度の影響
第83回応用物理学会秋季学術講演会、21p-P16-11、05-187ページ, 2022

■担当講義

Introduction to Physics, Transdisciplinary Session I, 材料物理概論, 異分野「超」体験セッションⅠ

■学外活動

◆所属学会
MRS (Materials Research Society), 電子情報通信学会, 日本表面学会, 応用物理学会, MRS (Materials Research Society) in U.S.A., Institute of Electronics Information and Communication Engineers in Japan, Surface Science Society of Japan, Japan Society of Applied Physics
◆学術貢献活動
一般会員 , 電子情報通信学会
一般会員 , 日本表面学会
一般会員 , 応用物理学会

■賞等

・ 第15回APEX/JJAP編集貢献賞 , 堀田 將 , 応用物理学会 , 2017
・ 科研費審査委員賞 , 堀田 將 , 独立行政法人日本学術振興会 , 2015
・ アウトスタンディングポスター論文賞 , 第20回国際表示学会(IDW'13) , 2013