小矢野 幹夫 (KOYANO, Mikio)教授
融合科学系, マテリアルサイエンス系,環境・エネルギー領域
◆学位
広島大学理学士 (1984),広島大学理学修士 (1986),広島大学理学博士(1990)
◆職歴
: 1987年4月 広島大学 理学部物性学科 助手1994年4月 北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 助教授2006年4月 同   マテリアルサイエンス研究科 准教授2011年4月 同 グリーンデバイス研究センター 准教授(兼務)2016年4月 同 先端科学技術研究科 准教授,マテリアルサイエンス研究科 准教授(兼務)2016年10月 同 先端科学技術研究科 教授,マテリアルサイエンス研究科 教授(兼務)
◆専門分野
固体物性,熱電材料と熱電変換技術,低次元物質および化合物半導体の電子物性
◆研究キーワード
物理, 実験, 固体物性, 熱電変換, 低次元伝導体, インターカレーション, ナノ, 磁性, 複合材料
◆研究課題
熱電変換の物理と応用に関する研究(1)
 ゼーベック効果やペルチェ効果などを利用した『熱電変換技術』を使うと,熱エネルギーと電気エネルギーの相互変換が出来るため,廃熱から直接発電を行う『熱電発電』が可能となります.私たちの研究室では,「はかる」「つくる」「さがす」という3本の柱で熱電変換に関する研究を行っています. 【はかる】 微小スケールの熱電性能の測定  「はかる」とは熱電材料の特性をはかるための評価手法の開発という意味です.近年,微細な構造を持った新規熱電素子が開発されていますが,システム自体が小さく測定が難しいため,新しい評価手法の開発が望まれています.  私たちの研究室では,3ω法(スリーオメガ法)と呼ばれる熱伝導率測定法を改良して,Bi-Te系熱電ナノ粒子凝集体の熱伝導率を測定することに成功しました.さらにこの3ω法を改良することにより,遷移金属トリカルコゲナイドナノワイヤーの熱伝導率測定にもチャレンジしています.またポイントコンタクト型局所熱電性能測定法も開発しており,将来的にはグラフェンやポストグラフェンなど先端材料のフォノン物性を解明することを目指しています.
熱電変換の物理と応用に関する研究(2)
【つくる】 インクジェット技術を用いた新規熱電モジュールの開発  実際に熱電発電を行うためには,Bi-Te系熱電素子を多数配列させた熱電モジュールを作製しなければなりません.われわれは,LCD用カラーフィルターの製造に利用されているインクジェット技術を熱電モジュール作製に応用するという,新たな製造プロセスの開発を行いました.  インクジェット印刷を用いることにより,従来作製が難しかった微小サイズモジュールや,ポリイミドをはじめとするフレキシブルな基板を用いたモジュールの試作に成功しました.今後は,焼成後の素子の密度と粒子配向性の向といった課題を解決し,既存の分野およびエネルギーハーベスティングなど新しい分野への応用展開を図ることを予定しています.
熱電変換の物理と応用に関する研究(3)
【さがす】 新しい熱電変換材料の創製  現在実用化されている熱電材料(Bi-Te系材料)は,構成元素のTeが希少・高価であるという問題を抱えています.この問題を解決するため,私たちはTeの代替元素として硫黄(S)を用いた化合物,すなわち新しい硫化物熱電材料の開発を行っています.  最近,私たちはテトラヘドライトと呼ばれる熱電鉱物 Cu12Sb4S13が,実用化されている材料と比べても遜色ない性能を示すことを発見しました.この材料は母体のままでも良好な熱電性能を示しますが,さらに,CuサイトをNiで置換することにより熱電性能を約1.4倍向上させることに成功しました.  これ以外にも,多様な硫化物の低次元伝導体や,熱電材料と磁性体のハイブリッド材料の合成・開発を行い,その基礎物性や熱電性能を調査しています.

■研究業績

◆発表論文
Transport properties of rocksalt-type cluster sulfides V4GeS8 and Mn substitution effect
Miyata Masanobu, Ozaki Taisuke, Koyano Mikio
JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS, 58, 6, -, 2019/06/01
Thermoelectric Properties and Carrier Localization in Ultrathin Layer of Nb-Doped MoS2
Pham Xuan Thi, Miyata Masanobu, Huynh Van Ngoc, Pham Tien Lam, Nguyen Thanh Tung, Muruganathan Manoharan, Phan Trong Tue, Akabori Masashi, Chi Dam Hieu, Mizuta Hiroshi, Takamura Yuzuru, Koyano Mikio
PHYSICA STATUS SOLIDI B-BASIC SOLID STATE PHYSICS, 255, 9, -, 2018/09
Thermoelectric Properties for a Suspended Microribbon of Quasi-One-Dimensional TiS3
Sakuma Tasuku, Nishino Shunsuke, Miyata Masanobu, Koyano Mikio
JOURNAL OF ELECTRONIC MATERIALS, 47, 6, 3177-3183, 2018/06
High-Throughput Screening of Sulfide Thermoelectric Materials Using Electron Transport Calculations with OpenMX and BoltzTraP
Miyata Masanobu, Ozaki Taisuke, Takeuchi Tsunehiro, Nishino Shunsuke, Inukai Manabu, Koyano Mikio
JOURNAL OF ELECTRONIC MATERIALS, 47, 6, 3254-3259, 2018/06
Sustainable thermoelectric materials fabricated by using Cu2Sn1-xZnxS3 nanoparticles as building blocks
Zhou Wei, Shijimaya Chiko, Takahashi Mari, Miyata Masanobu, Mott Derrick, Koyano Mikio, Ohta Michihiro, Akatsuka Takeo, Ono Hironobu, Maenosono Shinya
APPLIED PHYSICS LETTERS, 111, 26, -, 2017/12/25
◆書籍
フレキシブル熱電変換材料の開発と応用 = Development of flexible thermoelectric materials and their applications
中村 雅一, 分担執筆, 第2章 インクジェットを活用したBi-Te系フレキシブル熱電モジュールの開発,小矢野幹夫, シーエムシー出版, 9784781312552, 2017
熱電変換材料実用・活用を目指した設計と開発 : 材料技術/モジュール化/フレキシブル化/実用例
小矢野幹夫, 分担執筆, 第2章 各種熱電変換・熱電発電材料及び素子の最新技術・開発事例, 第4節 硫化物系熱電変換材料の物性と素子化の課題, 情報機構, 9784865020748, 2014
熱電変換技術ハンドブック
梶川 武信, 分担執筆, 第2章 第1節c テルル化合物,小矢野幹夫, エヌ・ティー・エス, 9784860432577, 2008
◆講演・口頭発表
Experimental and theoretical investigation of thermoelectric properties of sulfides with OpenMX and BoltzTraP
Masanobu Miyata, Taisuke Ozaki, and Mikio Koyano
The 3rd OpenMX developer's meeting(2018年8月9日,東京大学物性研究所 柏の葉キャンパス), 2018
Contactless temperature measurement of atomic-layered MoS2 single crystal supported on silicon substrate
Mikio Koyano, Wataru Asai, Pham Xuan Thi, and Masanobu Miyata
The 37th Annual International and 16th European Conference on thermoelectrics (Cane France, 1-5July2018) [Poster 2, P. 74]., 2018
構造安定性を考慮した第一原理計算による新規熱電材料の探索
宮田 全展,尾崎 泰助,小矢野 幹夫
第65回応用物理学会春期学術講演会(2018年3月17日,早稲田大学西早稲田キャンパス)[9.4 応用物性・熱電変換, 17p-F102-14], 2018
Development of Printing Thermoelectric Module and Quest of New Thermoelectric Materials for Energy and Environmental
Mikio Koyano
JSAP-KPS K-J Joint Symposium (2017年10月26日,韓国 慶州市コンベンションセンター)[ [E] Pioneer: Energy harvesting tech.]., 2017
マクロに見た熱電材 ミクロに見る熱電変換
小矢野 幹夫,宮田 全展,Pham Xuan Thi
第77回応用物理学会秋季学術講演会(2016年9月16日,朱鷺メッセ,新潟コンベンションセンター),[分科企画シンポジウム (9.4熱電変換,16.2エネルギーハベスティング,合同 Mフォノンエジニアリグ「熱電変換の現在と未来:ZTはどこまで上がるのか?」]., 2016

■担当講義

量子現象特論 (E), M431 物性評価特論(計算・材料・物性), 応用機器分析特論, 固体物理特論第一, 量子力学特論, 材料合成概論(材料化学概論), 材料物理概論, 材料機能概論(情報処理入門), 統計力学特論, 応用物性数学特論, 電子機能特論(E), 光物性特論(E), 異分野「超」体験セッションⅠ

■学外活動

◆所属学会
日本物理学会, 応用物理学会, 日本熱電学会
◆学術貢献活動
International Conference on Organic and Hybrid Thermoelectrics, ICOT2016(有機複合熱電変換に関する国際会議、ICOT2016) , 戸嶋直樹 山口東京理科大学 名誉教授 , 2016/01/19 - 2016/01/20 , 開催場所:京都テルサICOT2016組織委員